2012年春 CFDトップソリューションセミナー

ご質問への回答集

ご質問への回答集(Q&A) INDEX

TCクラウド

・ 富士通が提供する解析シミュレーション向けのプライベート・クラウド

CRUNCH CFD V2.5

・ 製品製造の技術課題解決に向けた高精度ソルバCRUNCH CFDによる流体解析
・ CRUNCH CFD V2.5による超音速燃焼、圧縮性混相流の相変化、実在液体の圧縮性を考慮したターボポンプの解析事例
・ CRUNCH CFDとオープンソース型最適設計システムDAKOTAの連携によるCFD形状最適化事例のご紹介

DAKOTA 5.1(オープンソース型最適設計システム)

・ オープンソース型最適設計システムDAKOTAに関連したサービスのご紹介

FieldView 13.1

・ 分散ファイル並列読み込み機能を改良したFieldView13.1新機能のご紹介
・ CFD結果処理操作において高い生産性を実現するFieldView13のワークフロー機能

Pointwise V17.0

・ 高品質メッシュ生成を効率化するPointwise V17.0新機能のご紹介
・ Pointwise V17.0 によるメッシュ生成効率化と高度な適用事例のご紹介

SCULPTOR V3.1

・ CFDを用いたパラメトリックスタディを効率化する新機能OCCを搭載した SCULPTOR V3.1 のご紹介

TransMagic R9 SP0

・ CFDユーザーの為の3次元データ変換・修復ツールTransMagic R9 SP0のご紹介

TCクラウド

クラウドサービスを依頼したときに利用できるCPUのスペックを教えてください。
TCクラウドの解析プラットフォームでは、スタンダードクラスとハイパフォーマンスクラスの二種類のプラットフォームを用意しています。スタンダードクラスのCPUスペックは、Intel Xeon 2~3GHzのCPUコア性能で、1ノードあたり8CPUコアを搭載します。メモリ容量は1ノードあたり32GBです。ハイパフォーマンスクラスは、お客様のニーズにあわせてカスタマイズ提供するプラットフォームです。CPUスペックやメモリ容量のご指定に基づいて環境をご用意します。
このサービスは、いわゆるスパコンというものと同じと考えてよいのでしょうか?
TCクラウドの解析プラットフォームのうちハイパフォーマンスクラスとしてご提供するプラットフォームは、高速インターコネクト(InfiniBand)でノード間接続されたスパコン相当の計算環境をご提供するものであり、大規模並列計算に適したサービスです。
クラウドというのはインフラ的なものだと思いますが、インフラという意味合いで言うと国というか行政主導で提供されるものというイメージがあります。「京」がまさにそれにあたります。しかし、京は利用者がかなり限定されていて、実態としてはインフラとはいえないイメージがあります。そうしたインフラをプライベート企業が提供することについて、例えば高速道路が週末渋滞するように、多数の利用者が一時的に集中して、利用者の不満が出てくることに関するリスクをどう考えていますか?
「京」は、京という超大規模並列に向いた特別な計算環境を活用して、通常の解析業務ではできない超大規模な解析によるものづくりの変革を促すための環境と理解しています。利用に際しては、結果の公開の度合に応じても課金を変えるなど、公共のインフラとしての視点で運営がなされていると思います。これに対して、TCクラウドは、一般の製造業のお客様が設計の実務レベルで利用する環境を提供しています。
利用者の集中については、TCクラウドはお客様毎に個別に物理ノードを割り当てるサービスなので、他のお客様のご利用状況には左右されることなく計算資源をご利用いただけます。
料金はいくらなのでしょうか?
解析プラットフォーム スタンダードクラスの最小構成で38万円/1ヶ月です。これは標準価格ですので、ご提供価格については別途お見積りいたします。スタンダードクラスの他の構成や、ハイパフォーマンスクラスについてもお見積りいたしますので、お問い合わせください。

CRUNCH CFD V2.5

風力発電用タービンブレードの形状最適化の事例で用いた、CRUNCH CFDのモジュールは何ですか?
ブレード翼形状最適化により、出力増加と騒音低減を行っています。圧縮流れ解析モジュールと音響伝播モジュールを用いました。
液体ロケットエンジンのガス水素と液体酸素供給エレメントを模擬した、ガス/液体窒素のLESによる混合解析事例があります。何らかの検証を行っていますか?
温度、密度の時間平均値に関して、測定値との比較検証を行っています。
ポンプでのキャビテーション解析事例がありました。キャビテーション崩壊現象を細部まで見ることができますか?
気泡群の体積分率としてバルクに扱っているので、個々の気泡の崩壊現象は捉えていません。しかしながら、気泡群崩壊に起因する圧力波の放出と伝播を模擬しています。多くのキャビテーション解析では、音速無限大を前提としているので、圧力波の有限速度での伝播を無視しています。CRUNCH CFDでは、物性値である有限の気相音速、液相音速と、気液混相時の音速低下の理論式を考慮しています。これにより、有限速度の圧力伝播によるブレード間の干渉を考慮しています。これはターボ機械でのキャビテーション解析で重要であり、ブレード毎に非対称なキャビテーションや、旋回キャビテーションの予測に必須です。
オイルポンプの騒音評価解析は、CRAFT Tech社が行ったものですか?
CRAFT Tech社が解析を行いました。USのポンプメーカーFlowServe社が、ポンプ運転時に発生する騒音の原因究明を目的にCRAFT Tech社に依頼したコンサルティング業務です。
形状最適化のため、GridgenのGlyph機能による自動メッシュ生成を活用しています。その際、メッシュが破綻することはありませんか?
GridgenのGlyph機能による自動メッシュ生成では、メッシュの破綻を経験していません。SCULPTORによるモーフィングでは、メッシュの破綻を経験しました。ただし、DAKOTAによる最適化ループの制御において、メッシュの破綻を無視しているので、特に問題はありません。
スクラムジェット燃焼解析における、乱流プラントル数と乱流シュミット数の可変機能について補足して下さい。
拡散燃焼であるので、燃料と酸化剤の混合評価の精度が重要です。スクラムジェットの運用条件では、ガス密度が圧力(圧縮性)、温度(燃焼反応)、成分質量分率(成分混合)に依存するため、混合予測精度の確保が困難です。運動量のk-ε乱流モデルと類似な、温度場二方程式モデル、濃度場二方程式モデルを用いることで、乱流プラントル数と乱流シュミット数を可変として、乱流混合の予測精度を確保しています。温度場や濃度場の二方程式モデルは既存の技術ですが、スクラムジェットの運用条件に特化して検証と精度向上を図ったことが特徴です。CRAFT Tech社ではスクラムジェット燃焼の基礎研究を行っており、その成果を市販コードに反映しました。
>CRUNCH CFDの応用は燃焼分野が主体であり、ターボ機械への適用が少ないように見えますが?
CRUNCH CFDの主な応用分野の一つがターボ機械です。今回のセミナーでも応用事例をご紹介しました。また、2010年の弊社ユーザー会では、USのポンプメーカーFlowServe社からのユーザー事例紹介を行っています。
CRUNCH CFDとDAKOTAをどう使い分けていますか?
CRUNCH CFDはCFDソルバであり、他の市販CFDソルバで対応困難な熱流体現象への適用を主目的としています。DAKOTAはフリーの最適化ツールです。今回のセミナではCRUNCH CFDとDAKOTA、さらに形状モーフィングをするソフトウェアSCULPTORと組み合わせて、形状を最適化するという解析事例を紹介しています。
燃料配管内のキャビテーション解析への適用に興味があります。現存のCFDソルバでの解析事例が見当たりません。
壁が移動しない狭窄部でのキャビテーション解析は、難易度が高いですが、CRUNCH CFDであれば可能と考えます。セミナーでご紹介したフラッシングと類似の現象です。次に、壁移動によるバルブ開閉が伴う場合ですが、開発元CRAFT Tech社は、可能であろうとの見解です。ただし、解析実績が無いため、今後テストを行います。

DAKOTA 5.1(オープンソース型最適設計システム)

個々の製品だけでパッケージ的な作業がある程度できると思いますが、DAKOTAを利用するメリットは何でしょうか?
SCULPTOR の最適化機能と比較した場合につきましては、例えば、まだSCULPTORに搭載されていないGAによる多目的最適化の機能を補完するといった方法で、扱う問題により適合する手法を採用することができる強力なツールとなりうると考えます。 市販の最適化ツールと比較した場合は、とくにコスト低減のメリットが大きいと考えます。
取り扱うCFD解析の規模が膨大となり、1ケースでも数週間のオーダーとなるのですが、果たして現実的な工数で最適化までできるのでしょうか?
もちろん現状のハードウェア技術のレベルでは、数多くの解析試行を繰り返す手法が現実的ではない場合もございます。現在設計開発の分野で適用されている最適化では、CFD1件あたり数時間以下で設計判断上問題がないレベルの問題を取り扱っており、最適化の適用可否はエンジニアによって様々だと思います。
パワーリソースの問題は、例えば高速のHPCの利用コストが下がるなど、今後解決の方向に向かうと思いますので、適用可否に関する判断は変わってゆくと思われます。現状では、メッシュを粗くしたり、物理モデルを簡略化するなど、ダウンサイジングして対応せざるを得ない面はございます。
CFD は設計以外のパラメータ選定が大変です。もう少し DAKOTA 導入のメリットをもっと明確にしたほうが良いと思いますが、見解を教えてください。
お客様それぞれ取り扱う問題の内容、規模、さらにはお持ちのスキルなど、状況は多岐にわたると考えますので、サポートや最適設計システム構築など様々なパターンのサービスをご提供することで解決してゆきたいと考えます。例えば、設計用途で最適化を実施したいユーザ様は、機能の2割も使っていない商用ツールの費用を押さえたいというご要望もございますし、先端研究をされるユーザ様は、独自の手法を組み込みたいというご要望もございます。
一方最適化に当たっては、評価ツールであるCFDは必ず信頼性のある結果を得なければなりません。少なくとも扱う設計範囲において、CFDが十分な信頼性を持つことができるのであれば最適化は有効な設計手法となるでしょう。
DAKOTAの最適化ワークフローで、SCULPTORとCFDソルバを組み合わせた最適化の事例を提示されておりますが、この場合、SCULPTORからCFDソルバへの解析メッシュデータ受け渡しの自動化は可能でしょうか?
SCULPTORが対応しているメッシュ形式であれば、対応は可能です。 スクリプトによる自動実行が可能なCFDソルバであれば、種類を問わず対応可能です。
DAKOTAで設定されたワークフローでは、SCULPTORによる変形パラメータの受け渡しはどのようにしていますか?
バッチモード実行の際に扱う変形パラメータとコマンドを記述するファイルがあり、このファイルを書き換えるスクリプトをDAKOTAから自動実行した後、SCULPTORのメッシュモーフィングを実行します。
DAKOTAの最適化と、SCULPTORに新たに搭載された最適化機能は、どう違うのでしょうか。使い分けにあたり、考え方の違いを教えてください。
SCULPTORの最適化機能「OCC」は搭載されている手法のバリエーションは少ないですが、設計変数のサンプリング、応答曲面近似、設計値探索と最適化に必要な機能が揃っており、操作性に優れたGUIで短時間に自動実行できますので、基本的にはSCULPTORのご利用を推奨します。DAKOTAは、SCULPTORの機能を補完する役割を果たすためにご利用頂ければと考えます。たとえば、現在SCULPTORに搭載されていない多目的最適化を実施したい場合、DAKOTAの最適化機能とSCULPTORのメッシュモーフィングの連携による最適化システムを構築することにより実現可能です。
DAKOTAのGAで扱うことができる設計変数の値は、ソフトウェア利用上、上限値はあるのでしょうか?
プログラム内での変数の取り扱い上、ある一定の限度はありますが、ソフトウェアを修正することにより対応可能であると考えます。むしろ、解析1件あたりの所要時間や計算リソースの問題で、現実的な工数の範囲内で求める解が得られるかどうか、という問題の方が最適化問題の設定上は重要であると思います。
最適化の機能に焦点を当てて発表されていましたが、感度解析や不確実性評価に関する事例はありますか?
DAKOTA開発元のSANDIA研究所で適用された事例はございます。現在、調査とりまとめを行っており、要望が大きくなれば、近い将来に何らかの形で情報提供の場を考えたく存じます。
DAKOTAに搭載されていない最適化結果の可視化処理の機能は必須だと思いますが、どのような形で利用してゆけば良いでしょうか?
GUIカスタマイズ開発のご利用を推奨いたします。データハンドリングを考慮した、操作性とご業務への適用性に優れたツールを開発することが可能です。
外部ツール利用の場合は、表計算ソフトが最も簡単ですが、科学技術向けのグラフ描画機能を有するグラフ作成ソフトも利用することができると思います。
この場合はデータインターフェースの整合性の問題から、データ変換の必要が生じたり、日々の設計業務に適した表示方法への調整に時間を要したりする可能性がございます。

FieldView 13.1

クライアント・サーバー利用する際のライセンスチェック方法について確認させてください。 現在使用しているサーバーマシンを別のマシンに変更したいと考えていますが、ライセンスの移行が必要でしょうか?
ライセンスの移設作業は必要ございません。FieldViewではクライアントソフトウェアを起動したマシン側のみしかライセンスチェックを行いません。
現在使用している環境では並列ファイル読込動作をさせる“Local licenced Parallel”のチェックオプションが有効にならないのですが?
クライアント起動時に -pfv8オプションをつけて実行して下さい。8並列以上の並列ライセンスをご利用する際に有効となります。
以前、ATViewerで使用するために、XDBファイルを作ろうとしたところ、とても時間がかかってしまったことがあります。何か解決方法ありますでしょうか?XDBファイルを作る際の注意事項などあれば教えていただきますでしょうか?また、並列読込機能などに対応することで改善する予定はありますでしょうか?
XDBファイル作成にあたり、FieldViewの並列読込機能は関係ありません。XDBファイルの作成処理時間はポスト処理を行う時間そのものとかわりません。XDBファイル作成する際には、領域を細かく細分化して作成する、スカラー値ごとに作成することで、軽快に処理することが可能になります。領域の小さなXDBファイルを複数作成することを推奨しております。

Pointwise V17.0

T-REX(境界層テトラメッシュ生成)機能により作成した境界層テトラメッシュをプリズム化する事により大幅にメッシュ数が削減できる事例がありましたが、Pointwise にてRecombined(プリズム化)はどのような操作で行うのでしょうか?また、なぜ大幅にメッシュ数が削減されるのでしょうか?
T-REXを生成した後に"Convert T-REX to Prisms" というメニューがあります。それを実行すると、T-REX の境界層テトラ部分がプリズム化されるようになっています。3つのテトラメッシュが結合さてプリズムメッシュになりますので、メッシュの総数としては大幅に削減することができます。
Gridgen ユーザなのですが、Pointwise の操作を習得するまでにどれくらいかかりますか?
Pointwise で使われている用語や機能名はGridgen と同じです。Gridgen を習得されているのであれば、Pointwise における機能の配置に慣れて頂ければ習得まではあまり時間がかからないと思います。Pointwise のトレーニングを開催していますので、受講をご検討ください。

SCULPTOR V3.1

SCULPTORのメッシュモーフィングを用いた最適化では、解析モデルの全メッシュの各移動量が設計パラメータとなるのでしょうか?その場合、膨大な数の設計パラメータが存在することになり、設計パラメータの割り当てや最適化に必要なサンプル数が膨大になることを考慮するべきなのでしょうか?
SCULPTORでは、ASDボリュームを設定し、そのコントロールポイントによりモーフィングを実行します。最適化を実行する場合は、モーフィングにより節点が移動した形状が各サンプルとなり、設計変数としてはASDボリュームのコントロールポイントを用います。そのため、ご指摘のような、各節点すべての移動量を設計パラメータとして扱うことはありませんし、ユーザ側で任意にパラメータ数を設定できます。
SCULPTORのモーフィングとは、境界条件を定義している面領域を変形させてからリメッシュおよびスムージングをするのでしょうか。またその場合、変形形状ごとにメッシュ数が変化し、解析精度が維持できないということや、メッシュ品質が損なわれてソルバ実行時にエラーとなることが発生し得るのでしょうか?
SCULPTORは、解析モデルのメッシュの座標情報を全て保持し、ASDボリュームで囲まれた領域のメッシュを全て同時に移動させる手法でモーフィングを実行します。リメッシュやスムージングは行わないためメッシュ数は維持されます。また、SCULPTORの最も特筆すべき長所は、初期状態のメッシュ品質を極力損なわないモーフィングが可能であることです。最適形状検討において、設計上、常識的な形状変更の範囲であれば、解析精度の維持を期待できるメッシュの変形出力が可能であることがユーザ様のご経験より立証されています。

TransMagic R9 SP0

CFDの格子生成のためにウォータータイトなモデルを作成したいのですが、TransMagicで可能でしょうか?
可能です。曲面モデルの隙間や面の欠落などの不具合を、データ診断ツール・Auto Repair Wizardで検出し自動修正ツール(フルリペア、ライトリペア)で修復を行い、もし自動的に修復できなかった場合は、マニュアル・半自動修復ツール・MagicSurfaceを利用して修復しウォータータイトなモデルを作成することができます。
TransMagicをWindowsではなくMac上で使用したいのですが、可能ですか?Linuxはどうでしょうか?
稼動するOS環境は、Widows 7/Vista/XPで、Mac及びLinuxはサポートしていません。
実際に評価して使用したいのですが、貸し出してもらえますか?
無償でご評価していただくことができます。下記のHPからご申請ください。
/seihin/transmagic/security/licensekey_eval.htm3営業日以内にご使用いただけるようになります。
ノードロックラインセンスはドングルで使用できるのでしょうか?
ノードロックのライセンスはPCに固定されており、ドングルによるライセンス管理はできません。