2012年春-構造性能向上トップソリューションセミナー

ご質問への回答集

ノンパラメトリック最適設計システムTOSCAの機能概要

ビード最適化の事例について、これは固有振動解析の固有値をターゲットにしているのでしょうか?
そうです。1次、2次固有振動数に対して、最大化を行っています。
ビード最適化の事例について、これは固有振動解析の固有値をターゲットにしているとのことでしたが、圧力による最適化も可能ですか?
可能です。TOSCAは静解析の静荷重による解析結果から、ビード形状を求めます。
TOSCAのトポロジー最適化には、コントローラー法と感度法の2つのアルゴリズムがあるが、最適化結果は同じになりますか?
単純な形状検討は最適化結果は概ね同じになります。製造条件を考慮した場合や、最適化条件が厳しい場合は、最適化結果が異なる場合が有ります。経験的に、コントローラー法の方が中間要素(グレー要素)が少なく結果形状が出やすいです。感度法は中間要素が残ることが多く、結果形状が出にくい場合があります。(注)中間要素:トポロジ最適化の過程で発生するヤング率が初期の10~90%程度の要素。最適化計算が収束した場合は、ヤング率が初期の100%か0%の要素に分かれて、明確な形状が得られる。
TOSCAは非線形の最適化も実施できるがどのように処理しているのですか?
TOSCAは非線形ソルバの結果値を読み取るだけです。
TOSCAは非線形現象では破壊モードが変わる場合が有りますが、どのように最適化を実施されていますか?
向上させたい構造特性によって、最適化条件や手法を変えています。
TOSCAの接続ソルバにNE Nastranへの対応計画はありますか?
NE Nastranへの対応はございません。
非線形ソルバはMarcが推奨でしょうか?
TOSCA側からソルバの推奨はありません。
コントローラー法の概要説明で歪によって要素の有無を判断しているがどのような基準なのですか?
コントローラー法では、繰返し計算毎に、歪エネルギーの低い部分から徐々に要素を削減します。
鋳造部品の事例が多いが検討対象として適さない部品はありますか?
応力や歪エネルギーの分布が構造全体で一様になるものについては最適化が困難です。例えば、航空機や船体のスキンストリンガ構造で一様圧縮を受けるパネルのストリンガピッチの最適化検討は実施困難です。

次期バージョンTOSCA 7.2の新機能と開発ロードマップの紹介

新機能である、応力を考慮したトポロジ最適化において、応答値は要素中心の値を取っているとあるが、ソルバによっては要素中心の値を算出しない物もあります。その場合はどのようにして値を求めているのでしょうか?
TOSCAが計算を行います。この場合、要素中心値の計算時間は、最適化計算時間全体の1パーセント程度です。
形状最適化で、体積最小化を目的関数とすることはできないのか?
体積最小化を目的関数とすることはできませんが、目的関数を応力値-設計応力として、体積制約を無しとすることで、同等の効果を得ることが可能です。
新機能のトポロジ最適化での応力対応だが、どのような理論が説明してもらえますか?
TOSCAが独自の理論式で自動に算出します。数式の概念についてはテキストに記載しています。
新機能の形状最適化での感度法の組み込みですが、コントローラー法との仕組みの違いを教えてください。
現時点の開発Verでは、コントローラー法の入力値を感度法に移しています。
キャスティングを考慮した金型最適化の事例はありますか?
ございます。Romheld & Moelle社のプラスチック射出成型機の金型では、トポロジ最適化によるリブ設計で重量16%減・製造コスト10%削減を達成しています。

MSC Nastran複合領域解析機能の概要と適用事例

進展型破壊解析では、どこからき裂が発生するかを解析することは可能ですか?
はい、可能です。
コネクター機能とは?
スポット溶接要素やボルト要素、ブッシュ要素などが用意されています。
音響解析との連成解析では、メッシュを合わせる必要はありますか?
音場との境界面のメッシュを合わせる必要はありません。
陰解法非線形、焼きばめの解析、金型、複数部品、で温度分布を別々に設定しての解析は可能ですか?
可能です。
Nastranソルバー単体での最適化解析は可能ですか?
MSC Nastranには最適化機能が実装されており、線形解析範囲で可能です。
トポロジー最適化(Nastran)は多目的最適化が可能ですか?
基本的に単目的です。合成応答や重みづけなどで多目的のように使うことは可能です。

ドイツ・欧州における適用事例のご紹介

カムシャフトアブソーバーの事例における、Step2とStep3の違いについて詳細に教えてください。
Step2は、トポロジ最適化により断面形状の設計案を取得します。ゴムの非線形性と製造条件を考慮した上で剛性の最大化を行っています。Step3は、Step2で得られた断面形状について、形状最適化により表面形状を微修正し、応力を低減しています。
カムシャフトアブソーバーの事例で、Step2,Step3では2次元モデルで検討していましたが、Step5で3次元モデルにする際、どのような手順で行っているのですか?
Step3で得られた断面形状を回転スイープして立体形状を作成します。これにStep4で得られた形状の孔をあけてStep5の3次元モデルを得ています。
トポロジ最適化の結果を受けて、形状最適化を行うという流れで最適化を行うと良いと紹介されていますが、形状最適化によってトポロジ最適化の結果形状から大きく変わることはありますか?
基本的に形状最適化は表面の増肉、減肉を行うアルゴリズムですので、最適化前後でトポロジが大きく変わることはありません。なお、トポロジ最適化の結果をベースにCAD形状を作成する際に、エンジニアによる設計判断にて、最適化結果形状を修正することはあります。
ZFの事例はトポロジ最適化と形状最適化を1JOBで実施したのですか?
トポロジ最適化を実施後に形状最適化を実施しているため2JOBで実施しています。
Simpatec社の異方性材料製エギゾーストバルブのリブ応力低減の形状最適化事例について、リブの板厚が保たれたまま、リブの高さ方向にきれいに形状が変化しているが、何らかの形状制約は設定しているのですか?
形状最適化による節点移動が、リブの高さ方向に沿うように条件を設定していると思われます。
事例紹介はソリッドモデルばかりですが、シェルモデルを対象とした形状最適化は可能ですか?
可能です。ビード最適化や形状最適化により対応が可能です。概要はVINAS NEWS 2010-2011号「自動車用サスペンション部品の形状最適化(株式会社 豊田中央研究所 車両・生体システム研究部 車両機構研究室 杉浦 豪軌 様)」をご参照下さい。
射出成型においてMoldexによる異方性材料マッピングを利用したMSC NastranとTOSCAの形状最適化事例であったが、MAGMAソフトと連動した事例はありませんか?
MAGMAによる流動解析を利用した事例は1つございます。なお、流動解析は、最適化結果形状の製造可否を確認するために利用されています。
アームの座屈性能向上の事例で最適化対象をミューゼス応力の改善で実施していたが、歪は扱えないのか?
TOSCA-Mracの組合せでは歪は対象にできないためミューゼス応力で実施しました。

日本国内におけるTOSCA適用事例および弊社サービス実績のご紹介

リブ検討方法について、設計空間にリブ候補をいくつも立てておいて、トポロジ最適化により省いていくのでしょうか?
この事例では、設計空間をソリッド要素で満たして、トポロジ最適化によりリブ形状を導出しています。
形状最適化で重量制約が厳しく設定した場合、最適化計算はどのように収束するのでしょうか?
まず、重量制約を優先して達成します。その状態から応力の低減を行います。重量制約が厳しい場合、十分な応力低下が望めないままサチュレーション状態になって計算が終了します。
形状最適化の事例にて、繰返し計算回数が16回目で計算が終了しています。しかし、16回目でも安全率の向上がまだ望めるように見受けられますが、なぜこの段階で計算が終了しているのでしょうか?
TOSCAの形状最適化は予め繰返し計算回数を指定します。今回の事例では最大計算回数を16回としたため、その段階で終了しています。厚み形状の増肉、減肉箇所の傾向が分かるため、この計算回数の結果でも十分な成果を得たとされています。

Marc-TOSCAによる最適化計算の高速化

ダミーシェル(他の部品との干渉を防ぐための壁)はどのように設定するのでしょうか?
FEMシェルモデルを配置することで設定が可能です。
この事例では新機能の応力を考慮したトポロジ最適化を用いているのでしょうか?
いいえ。形状最適化による増肉、減肉を用いています。
接触部分も最適化対象にできますか?
可能です。
Marcで解析が発散する場合は自動でリメッシュをして発散を抑制する機能があるがTOSCAは対応していますか?
形状最適化の途中でのリメッシュ機能には対応しません。リメッシュが必要となった場合は、一旦最適化計算を中断する必要が有ります。リメッシュにより、設計領域の節点グループの構成が変化する場合は、もう一度グルーピングをし直す必要が有ります。
最適化結果の形状でR形状が綺麗に表現できているがTOSCAで特別な設定をしていますか?
特別な設定はしていません。R部の曲率に対し、適切なメッシュサイズにすることで、綺麗に最適化が可能です。