AI機械学習を利用したPOD/DMD解析システム VFBasis

製品の空力性能を決定する流体メカニズムを把握できます。
空力騒音の発生源を簡単に特定できます。

「VFBasis」は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)の研究成果を元に、ヴァイナスが並列処理など大規模データ解析のために性能強化および関数評価グラフや特定モードの動画操作・表示のためにGUIの開発や、商用ソルバ対応とCFD解析結果ファイルの高速・省メモリ読込処理機能、PIV対応など産業利用のための基本機能を開発した商用ソフトウェア製品です。

これまで解像度や精度を上げた3D非定常CFD解析結果でも製品性能と流れのメカニズムの相関、因果関係を結びつけ、日々の設計で利用できる実務的なソリューションはありませんでした。
その問題を解決するために株式会社ヴァイナスが開発したソフトウェア製品がVFBasisです。大規模非定常データから高速かつ簡単に特徴構造(空間パターン)とその時間変化(周波数、増幅率)を抽出することにより、流体メカニズムを把握し、現象の理解を進めることが可能になりました。
VFBasisを利用することにより商用ソルバやPIVの解析結果を迅速に読込固有解析することができるようになり、流体設計、流体制御等において、従来よりワンステップ進んだ高性能な製品設計が可能となります。

VFBasisの主機能

製品性能を決定する重要な渦振動をAIで自動抽出

POD/DMDによるモード解析の結果、重要なモードをAI機械学習でユーザー指定の数だけ抽出

多数の商用・アカデミー・オープンソースCFDソルバに対応

ANSYS CFX、ANSYS FLUENT、CRUNCH CFD、HELYX、OpenFOAM、PowerFLOW、SCRYU/Tetra、STAR-CCM+、Star-CD、STREAM、VECTIS、FrontFlow/red、FrontFlow/Blue、他
詳細はデータソルバとデータ形式をご確認ください。

CFD計算結果を高速・省メモリで処理可能

PIV計測結果のPOD/DMD解析も対応可能(※1)

空力3分力、モーメント3成分の変動成分の大きさを自動計算

それぞれの値のグラフ表示機能有り

現象を理解しやすい各モードのアニメーション表示機能

対応ポストプロセッサ

FieldView、EnSight、商用CFDソルバ付属のポストプロセッサ、ParaView(※2)

※1 PIV対応は追加有償オプション機能となります。
※2 ParaViewは正式に認定したポストプロセッサではありません。

VFBasisの適用事例

大気圏突入カプセル *1 自動車の空力振動 ファンの騒音源の特定 *2

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3次元円柱の後流渦 航空機翼の衝撃波 高層ビル周辺の風環境

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*1 JAXA様 FBasisでの適用事例
*2 パナソニックエコシステムズ株式会社様での適用事例

適用対象製品

航空機・車両・各種空調ファン・発電用タービン&ファン・ポンプ・パイプ管内・ジェットエンジン・キャビティフローなどの流体メカニズムや騒音源の解明と低騒音化並びに流体性能の向上など

VFBasisの特長

VFBasisは、POD(固有直交分解)/DMD(動的モード分解)解析、さらにはその結果から機械学習を利用して重要モードを自動選択することが可能です。
非定常CFD解析結果から製品性能を左右する空間パターンの抽出により、流体メカニズムを理解・把握することで、空力性能や騒音問題などの技術課題の解決を実現します。

POD/DMD解析における従来の問題と課題 : VFBasisによるそれらの解決

従来課題1. 商用ソルバに非対応...

⇒ 多数の商用ソルバに対応しています。

従来課題2. CFD解析結果の読み込みに膨大な時間がかかる...

⇒ FV-UNS形式との連携により、読み込みの高速化・省メモリ化を実現しました。

従来課題3. 多数のモードが出力され重要モードの特定が困難...

⇒ 製品性能を決定する重要モードを機械学習により自動選択することができます。

従来課題4. 結果の空力評価に多大な手間がかかる...

⇒ 空力変動現象の把握を効率化する、空力特性評価グラフ機能を搭載しています。

従来課題5. 流体メカニズムの理解・把握が困難...

⇒ 選択したモードのアニメーションを作成可能です。→ Dynamic Viewing機能

FV-UNS形式は、米国Tecplot社が著作権を有するデータ形式です。

Tecplot社はFV-UNS形式の読み込みを認可しておりません。(ヴァイナスは正式に認可契約済です)

空力特性評価グラフ

物体に働く流体力変動の大きさをモード毎にグラフ表示できます。

棒グラフの高さは力ではなく、変動成分の大きさを表します。

空力三分力(抗力/横力/揚力)の変動成分を評価可能です。

指定した軸周りのモーメント変動にも対応しています。

PowerFLOWやCUBEなどの空間と物体表面を別々に持つデータにも対応しています。※形状stlデータをご用意ください。

New!

VFBasis 2.0からはEnSight Gold形式対応のポストプロセッサをお使いのお客様も、本機能をご利用いただけるようになりました。


▲ 空力特性評価グラフの一例

Dynamic Viewing機能

任意のDMDモードにおいてアニメーションを作成できます。

1周期分の各位相における可視化ファイルを作成可能です。

GUI操作から等値面アニメーションを作成できます。

対応外部ポストプロセッサとの連携により詳細アニメーションが作成可能です。

アニメーションを用いた動的評価により、任意のモードにおける流体メカニズムの理解を深めることができます。

※GUI操作による等値面アニメーション作成にはFieldViewのライセンスが必要です。


▲ 横力への寄与度が大きいモードにおける
進行方向速度Ux等値面
(FieldViewで作成、黄色と緑色は逆位相の関係)

対象課題

非定常CFD解析結果から製品性能を左右する重要な渦の抽出と流れのメカニズムの把握

流れ場の振動モードの自動抽出
ノイズ等の間欠的/突発的/ランダムな挙動を取り除いた流れ場の解析
振動モードや騒音源の探査
Cd、Cl、Cymへの寄与度が高い振動モードの抽出

PIV実験結果から随伴流等の物体表面の流れ場の抽出

※ 本解析はVFBasisの基となっているJAXAのFBasisを使用しています。

※ VFBasisで、空力特性評価を実施するにはFieldView-Unstructured (FV-UNS)形式、もしくはEnsight-Gold形式の出力データを用いる必要があります。

※ 空力特性評価グラフ表示のために各空力係数の変動値算出機能を使用する場合、 FieldView®のライセンスが必要です。


▲ 大気圏突入カプセルの後流渦の特徴構造を抽出
宇宙航空研究開発機構(JAXA)

(1) Numerical investigation of wake structures of an atmospheric entry capsule by modal analysis
Y Ohmichi, K Kobayashi, M Kanazaki
Physics of Fluids 31 (7), 074105 https://aip.scitation.org/doi/10.1063/1.5092166

対象製品

周期的な時間変化を伴う流れ場が存在する以下の製品等

■ 外部流れの現象解明(流体振動、騒音)

輸送関連(自動車、2輪、鉄道車両、航空機、船舶など)
土木・建築関連(ビル、橋梁、各種構造物など)、 他

■ 内部流れの現象解明(流体振動、騒音)

ターボ機械内の流れ(V1では静翼部などの固定座標系のみに対応)
ダクト、インテーク、各種配管系
各種産業機械の流れ(鉄鋼、プラントなど)
冷却ファンの騒音源特定、効率-騒音背反の改善(室内・室外機、ラジエータなど)
室内空調、車内空調
楽器、音響設備

■ PIV(レーザー計測)などの流体実験結果にも適用できます(オプション機能)

   New! 各種PIVメーカーフォーマットに対応します。
   ※詳細はお問い合わせください。

VFBasisの利用事例はこちら

機能とモジュール構成

VFBasisは、単独の専用GUIから、解析パラメータ設定・解析実行、CFD解析ソルバ出力データの読込、POD,DMD解析と機械学習処理の実行、POD/DMD結果のグラフ表示、動画ファイル作成等、振動解析に必要な処理を行うことができます。
計算サーバー側と手元のクライアントPC側で、以下のようなシステムを構成します。

※1 CFD解析の結果ファイルのフォーマットはFV-UNS形式、OpenFOAM(direct)形式、Plot3D(Q file)形式、Ensight-Gold形式に対応しています。

※2 VFBasisで空力特性評価を実施するにはFV-UNS形式、もしくはEnsight-Gold形式の出力データを用いる必要があります。

※3 空力特性評価グラフ表示のために各空力係数の変動値算出機能を使用する場合、 FieldView®のライセンスが必要です。

稼働環境

Linuxの動作環境は下記の通りです。
Linuxシステム
Linux 64 ビット(Ubuntu 18.04LTS, RedHat 7, CentOS 7)
NEC SX-Aurora TSUBASA ※ ベクトルエンジンで高速化(NEC SX-Aurora TSUBASA アプリケーション

Windowsの動作環境は下記の通りです。
Windowsシステム
Windows 64 ビット(Windows10)

※ VFBasisで、空力特性評価を実施するにはFV-UNS形式、もしくはEnsight-Gold形式の出力データを用いる必要があります。
※ 空力特性評価グラフ表示のために各空力係数の変動値算出機能を使用する場合、 FieldView®のライセンスが必要です。

サービス

評価ライセンスをご利用いただけます。
VFBasisを用いた受託解析を承ります。

備考:詳細はお問い合わせください。