CFD(流体解析)可視化ポストプロセッサ FieldView
FieldView 17 の新機能(2018年2月8日正式リリース)
FieldView 17の新機能と改善点をご紹介致します。FieldViewの全機能に関する情報はFieldView User’s Guide、Working with FieldViewおよびFieldView Reference Manualをご覧ください。
日本語対応(ファイル名・パス名・変数名・境界名・アノテーション・凡例)
ファイルI/Oにおいて日本語を含むフォルダ名やファイル名が扱えるようになりました。また、変数、境界面、アノテーション、凡例にも日本語をご使用いただけます。これに伴い、新しいフォントNotoが追加されました。アジア圏のお客様の場合、デフォルトでこの新しいフォントが選択されます。
データ解析フレームワーク: 時系列プロット、FFT、POD解析が可能に
FieldView17付属の非定常データ解析ツールを利用して、時系列プロット、高速フーリエ変換(Fast Fourier Transform, FFT)、固有直交分解(Proper Orthogonal Decomposition, POD)を行うことが可能になりました。またお客様ご自身のスクリプトを使用した解析も可能です。これらの非定常データ解析はFieldView17付属するコンパイル済のオープンソースツール(GNU Octave, NumPy, Matplotlib)を使用して実行されます。またサンプルデータとサンプルスクリプトも付属します。お客様のCFDデータ解析のワークフローにFieldView 17をシームレスに組み込むことが可能です。
MAT-File / CSVフォーマット エクスポート機能: 外部ツールとの連携を強化
Coordinate Surface(X/Y/Z面)およびBoundary Surface(境界面)について、従来のTextフォーマットに加えて、MAT-FileおよびCSVフォーマットでのエクスポートが可能になりました。これにより、Excel, MATLAB, GNU Octave, NumPyといった外部ツールとの連携が容易になり、お客様のCFD結果を利用してさらなる時空間データの解析が可能となります。
高速ポイントクエリ: 座標データ(CSV/MAT-File)を元にCFDデータを高速抽出
CSVまたはMAT-Fileフォーマットで定義された座標データを元にCFD結果からデータを抽出できます。これにより、3次元データに対する固CSVまたはMAT-Fileフォーマットで固有直交分解(POD)や動的モード分解(DMD)等の減次解析のためのデータ抽出を容易に行えます。最大20万点/秒の高速サンプリング処理により、数百万点の座標データのサンプリングも数分で完了します。抽出したデータは実験結果との比較などにご利用いただけます。
In Situ 処理向けXDBLib 2.0
ソルバー実行時に同時にポスト処理を行うIn situ ポスト処理のためのライブラリXDBLib 2.0をご利用いただけます。XDBLib 2.0を使用することで、画像や数値データだけでなくXDB ファイルを直接作成することが可能となり、3次元の全空間データを保存する必要がなくなりました。弊社では既にいくつものソルバーにin situ処理を導入して参りました。もしお客様のソルバーから直接XDB ファイルを出力させたい場合は是非fieldview@vinas.comまでご連絡ください。市販ソルバーとしては初めてANSYS Fluent version 18.2 において、直接XDB ファイルの書き出しが可能になりました。 今後のご案内にご注目ください。
Q値計算関数の組み込み: Q値を簡単定義、高速に計算
渦の定義によく使用されるQ値を求める関数が組み込まれました。Function Formula Specification パネルから直接ご利用いただけます。複雑なQ 値の関数を毎回定義しなくて良くなるだけでなく、この組み込み関数は内部で最適化されているため今までの関数による定義より最大で約10 倍の速度でQ値の計算を行います。また主軸周りの単位ベクトルのボタンも追加されました。
▲ Altair社様よりご提供
任意多面体データ読み込みの高速化: 約3倍の高速化(FieldView 16.1比)
任意多面体のセルを使用するお客様および採用するソルバー増えております。格子解像度が同じ場合、四面体や六面体等に比べ任意多面体のセルを使用するとノード点数が増えポスト処理にかかる時間が増えてしまいます。FieldView 17 では任意多面体セルの読み込みの最適化を行うことで、FieldView 16.1 に比べ約3 倍の速度での読み込みが可能になりました。
サーフェスサンプリングの高速化
FieldView 16.1で搭載されたサーフェスサンプリングが本バージョンでさらに高速化されました。またサンプリングを行う変数の取捨選択ができるようになり、さらなるサンプリング時間の短縮が可能です。またデータ入力時のGrid Processing の設定を”Less”に設定することで、読み込み時間およびメモリ使用量を抑えることが出来ますが、この状態でも高速にサーフェスサンプリングを行うことが可能です。
▲ AIAA Hover Prediction Workshop様よりご提供
その他の改良点
FieldView 17では上記以外に多くの改良点があります。
- 表面流線の計算速度が最大で約1.7倍に高速化
- XDB、2次元及び表面のみのデータの読み込み速度が約40%向上
- 非定常データの最大タイムステップ数が 10万 タイムステップに増加
- FLOW-3D リーダーでFLOW-3D v11.2からのデータの読み込みをサポート
- Hybrid CGNS リーダーを更新しCGNS v3.3.1をサポート
- VTKデータ内で長い変数名を持っていた際に発生する問題に対する更新
- Mac OSでパネルがメインウィンドウの後ろに表示されてしまう問題に対する更新
- 多くのデータ読み込みを繰り返した際にグラフィックメモリが不足する問題に対する更新
- Generic Unstructuredリーダーで8GB 以上のEnsight ケースファイルの読み込みをサポート
- 特定のFV-UNSファイルを並列読み込みした際に発生する問題に対する更新
- パーティション数以上の並列サーバーを使用した際に、FieldView終了時にプロセスが正しく終了しない問題に対する更新
- Firefox使用時に Help > FieldView Customer Center と開いた場合、外部ネットワークに接続していないとFirefoxが終了してしまう問題に対する更新
- ドキュメントの更新
サポート終了のお知らせ
FieldView 17が32bit 版Linuxをサポートする最終バージョンになります。またFieldView 17 以降、32bit版Windowsはサポート対象外となっておりますのでご注意ください。