CFD(流体解析)可視化ポストプロセッサ FieldView

FieldView V16.1 新機能のご紹介

FieldView 16.1はFieldView 16のアップデート版になります。ここではその新機能と改善点をご紹介致します。FieldViewの全機能に関する情報はFieldView User’s Guide、Working with FieldViewおよびFieldView Reference Manualをご覧ください。

FieldView 16.1のライセンスについて

FieldView 16.1はFieldView 16のライセンスのままでご利用可能です。ライセンスパスワードの更新手続きは必要ありません。

動画出力機能の向上:フレームレート設定可能なMP4フォーマット出力対応

全プラットフォーム(Windows、Linux、macOS)で新しくMP4フォーマットでの出力機能が追加されました。MP4はYouTubeやPowerPointの推奨フォーマットにもなっており、FieldViewから直接出力できるようになることで利便性が向上すると同時に安定した動画再生が可能になります。またフレームレートを1~60fpsの範囲で指定することが可能となり、プリセット画面サイズには1080p、720p、480pが追加されました。

動画出力機能の向上

カラーマップの対数スケール表示:広範囲データのオーダー評価が容易に

カラーマップが対数スケール表示に対応しました。これにより渦度の大きさやQ値といった広範囲の値を取りうるスカラー場のオーダー変化を強調した表示が可能になります。対数スケール表示を選択した場合、凡例ラベルを10の累乗の形式で表示することも可能です。

カラーマップの対数スケール表示

▲AcuSolveによる風力タービン解析例:渦度分布(左)リニアスケール、(右)対数スケール

Define Viewsパネル:90度回転ボタンの追加、モデルの整列が容易に

事前定義された視点を適用した際、モデル鉛直方向が画面上で上向きにならないなど、必ずしもモデルの向きが所望の向きに一致するとは限りません。これに対して新しく追加された90度回転ボタンをクリックすることで、モデルを時計回りまたは反時計周りに90度ずつ回転できるようになりモデルの整列が容易になりました。
この90度回転ボタンはToolメニュー下のDefine Viewsパネルに追加されており、全ての視点に対して適用することができます。

Defined Views パネル

Python GUIツールキット:FieldViewにユーザー専用のGUIパネルを追加できます

Tkinterからの関数呼び出しを含むPythonスクリプトをFieldViewから実行できるようになりました。Tkinterは広く使用されているGUIツールキットの一つであるTk用のPython APIになります。これによりTkinterが提供する沢山のウィジェットを利用して、左の例のような自分専用のGUIパネルを追加することができます。
定型処理の自動化から問題に特化した垂直アプリケーションまでカスタマイズの幅が広がります。
GUIスクリプト開発のトレーニングやサポートが必要な場合、お気軽にお問い合わせください。

Python GUI ツールキット

新しいヘルプメニュー:FieldViewカスタマーセンターへ簡単アクセス

ヘルプメニューにFieldViewカスタマーセンターへのリンクが追加されました。FieldViewカスタマーセンターからはFieldViewインストーラーやチュートリアルのダウンロード、FAQの閲覧が可能です。
またお客様自身のwikiやFAQをお持ちの場合、ヘルプメニューにそのリンクを追加することも可能になりました。

新しいヘルプメニュー

サーバプログラム経由でのライセンス取得

FieldViewをファイアーウォール外でご使用になりたい場合、FieldViewサーバー経由でライセンス取得が可能になりました。FieldViewサーバーはクライアント・サーバー機能で使用するプログラムです。 このオプションはFieldView Parallel 16以上のライセンスをご契約のお客様のみご利用いただけます。

サーバプログラム経由でのライセンス取得

ライセンスマネージャのアップデートとライセンスの前方互換性の拡大

FieldView 16.1ではライセンスマネージャーがFlexNet 11.13.1.3にバージョンアップしました。このアップデートにより前バージョンのFlexNetにおけるセキュリティ脆弱性に対応しました。また以前の仮想システムを物理システムに結びつけるライセンス形態であるlmbindのサポートには非対応となりました。ライセンスマネージャーを仮想システム上に立ち上げたいお客様にはUUID (Universal Unique Identifier)に基づくライセンスを発行いたします。
また本バージョンより新規パスワードを用いた古いバージョンの実行の制限がなくなりました。つまりFieldView 16.1は将来バージョン17、18、さらにそれ以降のバージョンのパスワードでも使用可能になります。

VTKリーダー:バッチやin situで作成されたVTK抽出ファイルを読み込み可能

VTKの構造格子データおよび非構造格子データに対応する2つのリーダーが追加されました。これらのリーダーはVTKライブラリに基づいており、ソルバーから直接出力されたVTKファイルあるいはParaViewやCatalystから出力されたVTK抽出ファイルの読み込みが可能です。

VTK リーダー

サーフェスサンプリング:ボリュームデータ不要、データセット間の迅速な比較が可能

2つの異なる格子を持つデータ間の比較する際にデータセットのサンプリングが必要になります。しかしながら、従来方法では3次元ボリュームデータに対して処理を行う必要があり計算負荷が重いものになっておりました。
FieldView 16.1では新たに2次元サーフェスのサンプリング処理が可能になりました。これにより処理速度は大幅に向上し、またデータセットサンプリング行う際の制約事項も少なくなりました。比較を行う2つのサーフェスは重なり合っている必要はありません。またボリュームデータだけでなく抽出データ(境界面やXDB、VTK、等)から作成されたサーフェスにも適用可能です。

サーフェスサンプリング

▲AIAA Hover Prediction Workshop様ご提供

その他の改良点

FieldView 16.1では上記以外に35個以上の改良点があります。

・バッチハードウェアレンダリングの速度の向上

・XDBファイル出力速度の向上

・表面流線計算速度の向上(”Euler”および”Offset”タイプの場合)

・モニター接続を解除したり画面解像度を変更した際に画面外にパネルが表示される問題の修正

・ユーザー定義リーダーのFVXサポート

・AcuSolveリーダーの設定の保持

・AcuSolveの混相流計算結果とmid-step mesh displacementをサポート

・Boundary Surfaceスイープ中にBoundary Surfaceを作成する際に発生する問題の修正

・XDBに出力された面中心[BNDRY]ベクトルの表示の際のエラーの修正

・GuideFVXスクリプト内でカラーマップを読み込むタイミングの変更

・非表示面に対してVortex Coresリスタートファイルを適用した際に凡例が表示される問題の修正

・FLOW-3Dリーダーにおける1ブロックあたり20億以上の結果値を持ったRestart Dataへの対応

・プリファレンスリスタートファイルの問題の修正

・クリッピングや閾値によって出来た短いエッジを含む面の積分を行った際に発生する問題の修正

・時系列データ読み込み時に間違ったエラーメッセージを表示する問題の修正

・PFPRを使用して格子と面変数を含む結果が別ファイルになったFVUNSファイルを読み込んだ際に発生する問題の修正

・面変数を含む2つの時系列データセットを並列読み込みした際にタイムステップ変更時に発生する問題の修正

・標準面と任意多角形面が組み合わさった面変数を扱う際に発生する問題の修正

・クライアント・サーバーおよびパラレル使用時にユーザー定義関数を削除すると発生する問題の修正

・特殊なPLOT3Dファイルを読み込んだ際にコンソール画面に表示される不要な警告メッセージの削除

・特殊なPLOT3Dデータを円筒座標系に変更する際に発生する問題の修正

・XDBの格子面をターゲットにしてデータセットサンプリングを実行して得られる結果を表面積分する際に使用する面の垂直方向の修正

・ハンギングノードや任意多面体を三角形分割した格子を含むデータを”Boundary-only”モードで正しく読み込めない問題の修正

・Regionを伴うデータセットの読み込みをキャンセルした際に発生する問題の修正

・構造格子の境界面上で有限でない変数値を持つ点の色づけを正しく色(マゼンタ)に修正

・出力するファイルパスに点(.)やスペースが含まれている場合にXDB出力が失敗する問題の修正

・複数のDynamic Clip面をGuideFVXで対応

・Dynamic Clipの面数が上限に達した際に正しくないエラーメッセージが表示される問題の修正

・Dynamic Clipとマルチウィンドウの同時使用をGuideFVXで対応していなかった問題の修正

・Dynamic Clipとマルチウィンドウの同時使用時にデータセットのナンバリングに発生する問題の修正

・多成分化学種を含むOVERFLOW-2のデータに対して、気体定数(R)を関数で使用した際に間違った値が入る問題の修正

・1つのグリッド(ブロック)が2GB以上あるデータに対する環境変数FV_NO_MAGICの対応

・特殊な条件で流線を計算した際に発生する問題の修正

・リモートサーバー上のデータをブラウズ中に新しいパラレルサーバープロセスを開始しないように変更

・バッチ処理でソフトウェアレンダリングを使用して流脈線のアニメーションを保存した際に球が表示されない問題の修正

・ドキュメントの更新

サポート終了のお知らせ

32bit版WindowsのサポートはFieldView 16.1で終了とさせていただきます。