計算高速化コンサルティング

流体解析などの数値解析プログラムの能力をHPC環境上で最大限引き出します。

ヴァイナスでは、これまで数々の公的研究機関と並列プログラムの性能向上やマトリクスソルバ(連立一次方程式求解ルーチン)の研究開発を行なってきました。
特にマトリクスソルバに関しては、旧航空宇宙技術研究所(現宇宙航空研究開発機構:JAXA)様との共同研究の成果を高速・高安定な線形ソルバライブラリ「SuperMatrixSolver」として開発・販売しております。

これまでの多種多様なスパコンシステム上での研究・開発によって培ってきた線形ソルバに対する知見や高速化・並列化技術をもとに、ユーザー社内開発プログラムやOpenFOAM®などのオープンソースコードの移植および並列化やチューニングなど各種カスタマイズをお引き受けいたします。

2019.06.05 適用事例:地震時応答解析ソルバの高速化(建設コンサルタント会社様)をアップしました。
2018.07.10 高速計算技術事例:次世代ワークフローツールWHEELの実証例題作成をアップしました。
2018.04.24 適用事例:OpenFOAM®への内製コードの組込み(造船メーカー様)をアップしました。
2018.03.26 高速計算技術事例:分子動力学計算アプリGENESISのQM/MM計算機能整備をアップしました。

計算高速化コンサルティングの特長とコンセプト

計算高速化

既存の内製プログラムやオープンソースコードの数値計算プログラムに対して、性能の分析、改善案の提案、高速化したプログラムの作成を承ります。また、既存のプログラムの改良のみではなく新規のアルゴリズムに基づいた、数値計算プログラムの作成などもお引き受けします。

並列化

昨今の計算環境の変化によって、HPC領域のプログラムはには並列化が不可欠となっています。大規模超並列環境における、分散メモリ(MPI)並列化から、ワークステーションでの共有メモリ並列化まで様々なレベルでの並列化のご相談に応じます。また、既に並列化されたプログラムをお持ちで期待した性能向上が得られないような場合には、実行環境も含めた性能の分析、改善案の提案などのコンサルティングをご提供いたします。

ソースコードの近代化

長年使い続けられてきたプログラムには、古いスタイルでの記述や昔の環境では有効だったテクニックといった負の遺産が残っているものが多くあります。
機能強化・高速化を検討する前の段階として既存コードを整理して、無駄な処理を省き読み易い近代的なコードへと書き換えるサービスをご提供いたします。

HPCアプリ移植

京コンピュータに代表されるようにHPC分野の実行環境はCPUのアーキテクチャやOSが一般的なワークステーションとは異なるものが多くあります。弊社では多種多様なシステムでの実務を行なってきた経験を活かして、HPCアプリケーションや必要とする数値計算ライブラリの移植をお引き受けします。

計算高速化コンサルティングの事例と効果

既存コードの高速化・並列化    

■ 【NEW!】地震時応答解析ソルバの高速化(建設コンサルタント会社様)

  • ・約1万要素の動解析を実施するのに約33時間かかっていたところを、4並列で16時間22分(50%減)の時間で計算できるようになりました。
  • ・解析の途中で時間刻みを変更するサブルーチン をソルバに適用し、解析時間の短縮(14%減)を実現しました。
  • ・線形ソルバをオリジナルのSkyline法から当社製 のSMS-MFに置き換えて計算時間を短縮(22%減)しました。
  • ・OpenMP対応の剛性行列作成サブルーチンをソルバに適用することで高速化を 実現しました。

地震時応答解析ソルバの高速化(建設コンサルタント会社様) イメージ画像

▲ 地震時応答解析ソルバの計算時間短縮効果

■ OpenFOAM®への内製コードの組込み(造船メーカー様)

  • ・Fortran77形式で作成された内製コードをOpenFOAM®から呼び出すためのクラスを開発しました。
  • ・OpenFOAM®の定常解析ソルバの1つであるsimpleFoamに上記クラスを追加し、プロペラの推力を考慮した解析が実施可能としました。

■ 構造解析ソルバに適用するサブルーチンの作成(プラント設計会社様)

  • ・Fortranで記述された構造解析ソルバに適用可能ないくつかのサブルーチンを作成しました。
  • ・オリジナルコードでは長方形要素しか扱えませんでしたが、任意形状の四角形要素および三角形要素が扱えるようにし、複雑な形状の解析を実施可能とました。
  • ・バイリニア材料が扱えるような仕様とし、材料の非線形性を模擬したシミュレーションを実施可能としました。
  • ・固定境界円盤のたわみ分布を解析し、理論解に対して精度の高い解析が可能であることを確認しました。

構造解析ソルバのコード整理と大規模並列行列ソルバ導入による高速化(建築メーカー様) イメージ画像

■ 構造解析ソルバのコード整理と大規模並列行列ソルバ導入による高速化(建築メーカー様)

  • ・主要な未並列化サブルーチンのOpenMP並列化を実施しました。
  • ・Fortran77形式からFortran90形式へのコーディング変更することで、プログラムのミスを発見しやすくし、バグの修正を容易にしました。
  • ・並列数によって結果に差が出る不具合の原因を特定し修正を行いました。
  • ・反復法線形ソルバライブラリLis(*1)を導入し、オリジナルコード(直接法ライブラリ)と比べて、24スレッドで4.7倍の高速化を実現しました。

構造解析ソルバのコード整理と大規模並列行列ソルバ導入による高速化(建築メーカー様) イメージ画像

(*1) Lis:Library of Iterative Solvers for linear systems。修正BSDライセンスで公開されている線形ソルバライブラリ
       http://www.ssisc.org/lis/ より入手可能。

■ DEM法ソルバのOpenMP並列による高速化(鉄鋼メーカー様)

分析ツールにより、並列化の可否を調査しました。
ホットスポット部分のアルゴリズムがスレッド並列化に向かない構造であったため、計算順序を変更してスレッド並列化を可能にしました。また、この結果、シリアル計算の時間も短縮することができました。
8スレッドでの解析時に、スレッド並列区間のみではシリアル実行時の3.8倍、解析全体の速度でもオリジナルコードと比較して3倍を達成しました。

DEM法ソルバのOpenMP並列による高速化(鉄鋼メーカー様) イメージ画像

社内製プログラム高速化

■ 構造解析ソルバの高速化・高安定化
   (素材メーカー様)

ガラス素材の熱変形をシミュレートする社内製の構造解析ソルバのプログラムメンテナンスと機能強化を実施しました。
接触による剛性行列の振動を抑えるスムージングやトレランスの導入等の機能改善を行い、計算を大幅に安定化することに成功し、解析業務の効率化を実現しました。

解析安定性向上例 イメージ画像

▲ 解析安定性向上例

並列性能向上

■ 大規模並列環境における通信最適化
   (理化学研究所様)

領域分担型の並列計算における通信の効率化をテーマに研究開発に取り組み、通信時間の短縮に成功しました。
領域分割された各ドメインを適切なプロセスにマッピングすることで通信を効率化し、最大8,192コアを用いたウィークスケーリングにおいて、スケーラビリティの大幅な改善を達成しました。

通信最適化による通信時間の短縮効果 イメージ画像

▲ 通信最適化による通信時間の短縮効果

並列化・マトリクスソルバ性能向上

■ 代数的マルチグリッド(AMG)ソルバの並列化(宇宙航空研究開発機構(JAXA)様)

代数マルチグリッド(AMG)法を用いたマトリクスソルバは、非常に速い反復法のマトリクスソルバとして知られており、SOR法やICCG法といった古典的な解法と比較して数倍~20倍程度高速です。
AMG法は高い並列性能を実現するのは困難とされてきましたが、アルゴリズムの工夫により高い並列性能を実現しました。

並列化後のAMGソルバ イメージ画像

▲ (左図)並列化後のAMGソルバの並列スケーラビリティ(反復部分) / (右図)並列化後のAMGソルバの収束曲線(Strong Scaling)

マトリクスソルバ性能向上

■ G方程式燃焼モデルソルバへのSMS-AMGの取組(海上技術安全研究所(NMRI)様)

G方程式燃焼モデルに現れる圧力のポアソン方程式の求解を行うマトリクスソルバとしてSMS-AMGを適用することで、計算時間の大幅な短縮を実現しました。
マトリクスソルバ部分ではBiCGSTAB法の約4倍高速化されたため、研究効率が格段に向上しました。そのぶん計算格子数を増加させた計算が可能となり、より詳細な燃焼場解析が可能となりました。

燃焼室内の流れの速度 SMS-AMGによる高速化効果 イメージ画像

▲ (左図)燃焼室内の流れの速度-ベクトルと火炎面(瞬時値) / (右図)SMS-AMGによる高速化効果

■ 流体数値解析スキームの研究へのSMS-MFの適用(マサチューセッツ工科大学(MIT)様)

FCIB(Flow-Condition-Based Interpolation)法と呼ばれる有限要素法による流体数値解析スキームの研究では、連立一次方程式の計算に直接法しか用いることができず、計算に時間がかかり、かつメモリの制限を受けるため大規模な計算ができない、という問題がありました。SMS-MFを適用することで、15万元の問題を1GBメモリで計算可能となり、計算時間も数日かかっていた計算が5分で求解できるようになりました。

燃焼室内の流れの速度 SMS-AMGによる高速化効果 イメージ画像

▲ (左図)正方形Cavity内の二次元定常非圧縮粘性流れ計算例(流線) / (右図)SMS-MFによる高速化効果

■ 電磁場解析へのSMS-BEMの適用
   (ミューテック様)

電磁場解析で現れる境界要素法のマトリクスソルバとしてSMS-BEMを適用し、10倍~20倍の高速化を実現しました。

SMS-BEMによる高速化効果 イメージ画像

▲ SMS-BEMによる高速化効果

計算高速化コンサルティングを支援するツールのご紹介

Super Matrix Solver 高速・高安定型マトリクスソルバライブラリ

Super Matrix Solver(スーパーマトリクスソルバ)は連立一次方程式求解用のソフトウェアライブラリです。熱流体解析や構造解析などの数値計算で用いられる連立一次方程式の求解計算を高速かつ安定的に実行することを目的として、宇宙航空研究開発機構(JAXA)で開発された基礎理論をベースにヴァイナスにより開発された製品です。
大規模かつ求解の困難な連立一次方程式を高精度かつ短時間で安定的に解くことができます。反復法・直接法・境界要素法専用ソルバなど複数の製品で構成されており、様々な分野でご利用可能です。

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高速・高安定型マトリクスソルバライブラリ Super Matrix Solverロゴ

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