エンジン設計のための革新的CFD解析システム CONVERGE

軽油着火天然ガスエンジンの燃焼解析の実現-詳細化学反応計算を活用した複雑燃焼の解析-

高熱効率化が容易でクリーンな燃焼を実現できる天然ガスエンジンにおいて、さらなる熱効率向上が期待できる軽油着火天然ガスエンジンの開発が今進んでいます。軽油着火天然ガスエンジン開発では、軽油の噴射方向や噴射時期、あるいは天然ガスの供給位置や配置を最適化する必要があり、燃焼CFD解析の活用が望まれています。

このエンジンの燃焼CFD解析を実現するには、以下の対応が可能な詳細化学反応計算の活用が考えられます。

1)複数の燃料の取り扱い

メタン、エタン、ブタン、プロパンなどから構成される天然ガスと軽油のように、異なる燃焼特性を持つ複数の燃料の燃焼を考慮することが可能です。

2)幅広い条件の解析

失火に至るような燃料希薄、大量EGR条件での解析や複数回燃料噴射の解析が可能です。

3)複雑燃焼の解析

自着火、拡散燃焼、火炎伝播燃焼の燃焼解析を同時に取り扱うことが可能です。

詳細化学反応計算による複雑燃焼の取り扱い

▲ 詳細化学反応計算による複雑燃焼の取り扱い

CONVERGEでは、以下の機能を活用することにより、実用的な計算時間で複雑な燃焼を取り扱う詳細化学反応の計算が可能です。

1)詳細化学反応計算機能

0次元化学反応計算のデファクトスタンダードであるCHEMKINの入力ファイルを用いて詳細化学反応計算ができる機能が標準的に搭載されています。

2)詳細化学反応計算の高速化機能

CONVERGEでは詳細化学反応計算を実用的に活用するために、マルチゾーン高速化機能を標準搭載しています。この機能を用いることにより、筒内のセルを当量比と温度の行列で分類し、詳細化学反応計算の計算回数を激減させ、化学反応計算に掛かる計算速度を十数倍~約50倍に高速化することが可能です。

3)軽油・天然ガス混合燃料の反応モデル

CONVERGEの開発元Convergent Science Inc.社が構築した軽油・天然ガス混合燃料の簡略化された反応モデル(化学種124種、反応式694式)をご利用いただけます。

詳細化学反応計算の高速化手法

▲ 詳細化学反応計算の高速化手法

天然ガスの予混合気に対して軽油を噴射して燃焼させた場合の解析事例を下図(デュアルフュエル燃焼解析事例)に示します。軽油を噴射後、軽油が自着火し、燃焼が開始します(362deg.)。その後、天然ガスの主成分であるメタン(CH4)と空気の予混合気中を火炎が伝播していくことにより燃焼が進行します(368deg.以降)。本ケースでは、圧縮行程~膨張行程(360deg.)を8並列計算で解析し、計算時間は約30時間でした。

デュアルフュエル燃焼解析事例

▲ デュアルフュエル燃焼解析事例

  • 天然ガス当量比:0.6(予混合気) ・・・燃料希薄状態
  • 軽油噴射量(当量比換算):0.02
  • 軽油噴射孔数:4噴孔(1/4のケーキカットモデルを使用)